寝ても覚めてもすぽーっ!(すべての選手が一緒に競うために)

すべての選手が一緒に競うために


同じ条件で競うことが、なんと難しいことか。スポーツの難題を痛感した2021年の夏でした。
 
東京五輪パラリンピックがコロナ禍で強行開催された評価は別にして、記憶に残ったのは五輪に出られなかったドイツのマルクス・レーム選手のことです。
 
男子走り幅跳びで6月に8メートル62を記録。五輪優勝が8メートル41だったので、出れば上回ったかもしれません。
 
五輪の舞台に立てなかったのは彼が14歳の時に事故で右ひざ下を切断し、カーボン製ブレードをつけた義足ジャンパーだからです。前回のリオ五輪に続き、参加を切望しましたが、義足の性能や反発力が有利ではないことを証明できず、いわば門前払いでした。
 
健常者の選手の疑念はわかりますが、義足をつければ誰でも8bも跳べるわけではありません。技術も練習も必要です。レーム選手は続くパラリンピックで3連覇を果たしたものの、不完全燃焼だったでしょう。
 
五輪には性別変更した重量挙げの女子選手も参加しました。その条件には、日常的に男性ホルモンの値を基準値以下に抑えることを求められています。
 
先天的に男性ホルモン値が高い女子選手もいます。陸上の女子では400メートルから1マイルの種目へ出場できず、800メートルで五輪3連覇を狙った南アフリカ選手は夢を絶たれました。
 
公平性を確保するために選手をはじき出す。何とも残念です。近道はなくとも一緒にプレーする機会を増やし、研究しあって新しい「公平性」を創りだす。この夏がそのきっかけになればと思います。

朝日新聞論説委員 西山良太郎



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