現場一期一会(数ではなく人生 コロナも災害も)

数ではなく人生 コロナも災害も


新型コロナウイルス感染拡大を受け、東京五輪はほとんどの会場が異例の無観客開催となりました。期間中も含めて、新規感染者数、重症者数、死者数の増減が日々報道されます。感染状況を示す大切な指標ですが、目を向けなければならないのは数字の先です。

昨年米紙ニューヨーク・タイムズは、コロナで犠牲になった1千人の名前と紹介で1面を埋めました。それだけの数の人生が終わりを迎えたとの重みを再認識しました。

疫病だけではありません。事件や事故、災害でも同じです。今年の梅雨に静岡県熱海市で発生した大規模な土石流では、数十人の安否不明者名が、捜索を急ぐ自治体から公開されました。それぞれの日常が一瞬で途絶えたかもしれないと思うといたたまれません。

約2万人が犠牲になった2011年3月の東日本大震災について、朝日新聞岩手版で10年以上続く連載記事があります。タイトルは「3・11 その時、 そして」です。初回は発生から1カ月後で、津波で行方不明の母親を探す高校生を紹介しました。その末尾で読者に問いかけています。

「3月11日、午後2時46分、みんなは、何をしていたのだろう。それから、どう生きているのだろう」私も含めて多くの記者がつなぎ、連載は3600回を超えました。被災も再建も状況は様々です。

多くの人の体験を積み重ねれば、何が生死を分けたかが、見えてくるかもしれない。そんな思いです。

9月1日は防災の日です。次への教訓を考える日にしたいものです。

朝日新聞さいたま総局長 山浦 正敬



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