未来のためにできること(PM2.5は自分事)

PM2.5は自分事

 
光化学スモッグが初めて確認された1970年には、私が住んでいた東京・多摩地区も空がかすんでいました。注意報の発令は現在も続いています。国外で排出された窒素酸化物が、光化学オキシダントになって運ばれてくるのも一因です。
 
微小粒子状物質PM2.5の越境汚染も注目を集めています。粒子が髪の毛の太さの約20分の1なので、肺の奥まで入りやすく、循環器の病気や肺がんのリスクを高めると言われます。九州地方では大気中濃度の約7割、関東地方では約4割が国外からとみられます。
 
2015年度には、PM2.5の年平均濃度が10年度以降初めて長期基準を下回りました。13年度に37件だった注意喚起も16年度は1件に減りました。気象条件が主な理由とみられますが、中国の大気汚染が改善傾向にあるのも奏功しています。
 
英科学誌で最近、発表された論文によると、世界では07年に約345万人がPM2.5関連で死亡したそうです。このうち22%にあたる約76万人は、国外で使われる製品やサービスのために排出されたPM2.5で亡くなった生産地の人たちです。これは越境汚染で死亡した人のほぼ2倍。私たちは、「大気汚染の海外移転」を自分たちの問題として考える必要がありそうです。


PM2.5の警報が出た北京ではマ
スクをつける市民の姿が目立った=2015年12月


朝日新聞編集委員 石井 徹



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